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文学サロン『きりしま月の舟』さんで行われた詩人蒲原有明没後70年シンポジュームを聴講しました。
月の舟さんとは、10年ばかし前、そのオフィスが鹿児島市内の天文館にあった時分、よくお邪魔して、いろんなお話をうかがったものです。その後疎遠になってましたが、縁あって再会しました(疎遠の間オフィスを霧島山麓に移転されていました)。
それで今回の、詩人解説の催し物のご案内をいただいたのです。
ところでぼくは、詩のことは、何にも分かりません。詩をどう読んだらいいか分からないし、どうやって書くのかもわからない。それ以前に、人がなぜ詩を書こうとするのか、そのきっかけ自体が分からない。
それなのに、詩人のシンポジュームに参加するというのです。
ですが、分からないからこそ行く価値があると思うのです。
イベント前日。まじめなぼくは、蒲原有明なる人物について予習しとこうと、ネットで調べました。正直に告白すると、全く知らない人でした。しかし、あんまり情報がヒットしません。ウィキペディアを見ると、どこ生まれでいくつで亡くなった、白秋に影響を云々とか書いてありましたが、近代文学史の知識がないので、どんな影響がどう影響したのか、いよいよ分かりません。一つ一つ調べていたら、途方もないことになり、明日の予習というにはやや大袈裟になるので、諦めました。一夜漬けさえ諦めた受験生の気持ちです。
当日。鹿児島市内から車で約1時間半。霧島の山麓まで久しぶりに来ました。気温が鹿児島市街地より3度ほど低く、涼しかったです。
きりしま月の舟さんは、おいしいランチをされてます。
この日は鶏飯のランチ。
カクテルグラスはお豆富で、上に載ってるのはオクラの花を調理したもの。
鶏飯ランチ #きりしま月の舟 さん
— 小林アヲイ (@IrresponSister) 2022年8月14日
おいしい\(//∇//)\ pic.twitter.com/4901efnLid
あっさりさわやか、ヘルシーなお昼をいただいて、講義がはじまります。
シンポジュームは、お茶とケーキをいただきながら、心地よい雰囲気の中で行われました。人数も、先生方を含めて15人程度。密対策もありますが、互いの顔がわかるちょうどよい規模で、まさに贅沢なひと時を楽しむ文学サロンなのです(Zoom参加の人も数名いました)。
蒲原有明という人は、1875年の生まれで、ぼくが講義で知ったところを羅列すると…
- 父は佐賀藩の人。
- 象徴詩の人で
- 後発詩人に影響を与えながらも「時代の遺物」のように扱われた。
- 批判されるから自作の詩を何度も改稿して出版し
- 改稿するたびに「ダメになっていく」と言われ
- そのくせ画家青木繁が『海の幸』を修正すると「へたなことをした」と批判。
- 大家をやっていて店子に川端康成がいた。
言文一致運動の詩バージョンみたいな時代のあたりを生きていたのではないかなと思います。
シンポジュームでは講師の先生がたくさんの資料を示しながら分かりやすく講義してくださいました。
詩のことは相変わらず分かりませんでしたが、蒲原有明が詩の近代史における重要な人物であることは、よぅく分かりました。詩に興味のある人は、蒲原有明を紐解いてみるといいでしょう。
終わってからお茶会。
久しぶりにお会いする詩人の方がいて、なつかしくお話ししました。
月の舟さんにプロデュースしていただいた『銭湯戯画てぬぐい・月の舟バージョン』が販売されています。ちょっとだけ売り子の真似事をいたしました。
きりしま月の舟さんは、素敵な場所です。文学好きが鹿児島にお越しの際は、ぜひ寄るべし。霧島の自然の中で、おいしいランチをいただき、膨大な蔵書に囲まれて、のどかな時間を過ごせます。また、フレンドリーなご夫婦が、めっちゃ元気をくれますよ!
おしまい(^^)/