アヲイ報◆愚痴とか落語とか小説とか。

創作に許しを求める私の瓦斯抜きブログ

Kindleアンリミテッドはオワコンなのか?

 

(断っとくけど、リリース側の話です。ユーザーさんには何一つ問題提起はありません^^)

 

2024年8月いっぱいで自分の出しているすべてのAmazon電子書籍をKDPセレクトから外し、3ヶ月の拘束期間を終えた。
アンリミテッド(読み放題)対象商品から外れたわけである。
引き続きアマゾンでの販売は続行するけど、同時に楽天での発売も開始した。

 

くのKDPの売上のピークは2019年あたりだったと思う。
新型コロナの感染拡大がはじまってガクンとさがった。
その後、月あたりのロイヤリティーはしょっぱいランチ1食分も怪しくなった(インフレでメシの方でも値上がりしたが)。
かつては家賃が払えそうな勢いだったのに、残念である。

その間にぼくの小説を書くモチベーションも、ずいぶん萎えてしまった。
不精になり物語は書かず、電子書籍は年に1冊出すかどうか。
一時期のようにKDPの棒グラフ画面ばかり見てしまうこともなくなった。

 

んなふうにして頭が冷やされたからかどうかわからないけど、最近なんとなく気づいたのは、「アンリミテッドの利用者が減ってないか?」ということ。
アカウント画面から購入パターンを分析すると、アンリミテッドの収益が減って、普通に買ってくれる人が増えている。

まあ、この物価高、少しでも支出を減らそうとサブスクを止める人が増えてもおかしくない。
だけど、ネットを漁ると、「登録者は増えている」という情報も出てくる。
コロナ引きこもりで電子書籍需要が増大しアンリミ対象本が増えたため、従来からの著者には一冊あたりのセレクト本が受ける恩恵が薄まって感じられた…という見方もできなくない。

 

ひとつ。
かつて色濃かった「アンリミテッド対象商品だから買う」というユーザーの動機付けが、一時期より薄まっていて、「欲しい本があったら値段さえ適切なら買うものは買う」という傾向が強まった…ような気がする。
物珍しさ期間が終わったということですよ。

 

書籍をKDPセレクトから登録を外す前に、「じっさい外すとどうなるのかしら?」と思っていくつかの作品で実験してみたところ、外した方が売上が少し向上した。
原因はいろいろ考えられるが、長くなりそうなので割愛する。
簡単に言うと、「読み放題プランが普通販売の機会損失を引き起こし、売上を阻害する状況もありうる」ということだ。

あゝ、界隈の方々から「今さら気づいたの?」と嘲笑が聞こえてきそう笑

それならいっそAmazon独占販売をやめて、他のところでも出した方が、まだ見ぬユーザーとの接地点を模索できる気がした。
それで、以前プライスマッチでお世話になったことのある楽天koboさんに並べてもらうことにした。

 

Kindleありきだった電子書籍の世界は、時代の流れとともに、ユーザーの中で意識の変化が起きているのかもしれない。
それはAmazon全体にも言えるだろう。
いまやAmazonは世界規模の生活物流インフラ。
サービスに求められるのがイノベーションなのか、安さや快適さなのか。
それはAmazonの販売部門によって異なるし、そのくくりにおいて、ユーザー側も求めるカタチが違っていることだろう。

ぼくは冗長に興じてきたKDP出版を通じ、勝手ながら、アンリミの手応えにその不気味な境目を見た気がした。

 

補)
タイトルについて、決してアンリミはオワコンなんかじゃないさ。だけど、別にオワコンだっていいじゃないか。ぼくも齢四十の半ばを過ぎ、かつて自分が愛好したものは、ほとんどみんなオワコン化している。忘れられてもいる。でもぼくは、それが大事だったし、好きだった。それでいいのです。はい。

 

楽天koboにもAmazonみたいな「著者ページ」があればいいのにね。

※そういや角川の何とかウォーカーってのは、使い勝手は良かったけど、あんまりふるってないね。

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