アヲイ報◆愚痴とか落語とか小説とか。

創作に許しを求める私の瓦斯抜きブログ

旅に出ていた。~約三か月『小説家になろう』に住まう~

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(▲上記はすでに終了しています。たくさんのDLありがとうございました)

 

さて、かく言う小林は、表題の通り三か月の「旅に出ていた」のであります…。

 

 

旅のプロローグ

『ユトレシア~』は去年の9月中頃に着想し、年明けてすぐ書きだして、5月中旬に初稿を抜けた。
二度三度の推敲を経て、一応の完成を見たのだが、ぼくは自分の文章力を全く信じておらず、「3カ月くらいほっぽりだしてから読み直そう。それからいつもの通りKDP(アマゾン電子書籍)に展開しよう」と思い、作品のデータを使ってないフラッシュメモリにぶちこんで、引き出し奥深くしまった。
それを開ける日は三か月後の某月某日と決めていた。

けど、いつもいつもそんな推敲方法をして甚だ飽きてるのと、その某月某日まで待ってるのもしんどい。
いままでとちょっと違うことをしてみたいなと思った時、「あ、投稿サイトに晒しながら推敲するのもよくね?」と思い立った。
ファンタジーというか、異世界ものは、ああいうところでは人気があるんじゃないの? まあそこで人気者になるとか、どうにかするとか、そういうつもりはないけど、横書きサイトに定期的に一話ずつ出しながら推敲していくというのは、いつもより風景が違って見えるね、と。

で、大手サイト『小説家になろう』にアカウントを取得し、連載してみることにした  

さてはや、ここから私が語るのは、小林アヲイが初めて投稿サイトに作品を披露して引き上げるまでの三か月の物語である

それほど大袈裟なもんじゃありませんが、以下に体験したこと、思ったことをのべてみます。

注:投稿サイトについては、前に「エブリスタ」というところに出したことがあって、いまでも小品を入れっぱなしにしていますし、同様のことを「カクヨム」なるところでもやっていますが、まあ、それらは本腰というか、片腰も、1/4腰もはいっていないので、ノーカンです。

 

1)みんなやさしかった

投稿サイトにアカウントをつくって、ツイッターでも専用アカを持った。で、さっそくツイッターで「初めて『なろう』に出しますけどどうやったらいいのかわからないなー」みたいなことを呟いたら、すぐにリプライがきた。これには驚いた。

「一日に2回投稿がいいですよ」
「一話は3000~5000字がいいですよ」
「何時頃に投稿するのがいいですよ」
「タイマーは駄目ですよ」
「あれこれはそれですよ」

なんだろう……初めてキンドルをやった時も親切に教えてくれる人はいたが、すぐにレスポンスがあったわけではなかった。
ところが投稿サイトの世界は、参加する母数が多いから、誰かが気付いてシュバババッと教えてくれる。
「みなさんとてもいい人たちだなあ」
ほんとにそう思いました。

 

2)だんだんわかっていく

それからというもの、作品を出していった。
どんな風にしたかというと、諸先輩方の勧めに従い、『ユトレ~』を適切な文字数に沿って45等分し、朝晩更新する、と。まるで漢方の処方のようだ。そうやるとちょうど22日くらいで終わる。

最初はそもそも作品登録の仕方がよくわからずに、カテゴリとかタグとか何にもしていなくて、どうりでPVが増えないなあと思った。
タグというのがいまいちよく分からなくて、KDPでいうところのキーワードみたいなものかなと思っていたら、ちょっと違い、コンテスト応募などにも用いる、ということだった。ちょうど2つくらいコンテストがあったので、設定してみた。色気ですな。

5日(10話)くらい出してようやくPV以外に「ブクマ」「評価」なるものがあると知った。ツイッターを見ているとみんなこの数値をおっかけて、鬱になったり、「退会するッ」とブチキレてみたり、「応援ありがとうございます」と全方位にマウントを  いや、お辞儀をしたり、それはそれは賑やかである。
それにしても、作品のPVというものが、自分のだけじゃなく、他人のも見放題というのはビックリした。
基本、WEBの世界において、自分のPVは見れても他人のは見れないもんだと思っていたが、ああここは出版社が青田買いをする場所なのだと思って腑に落ちた。

 

3)すっげえ違和感

ぼくは作品を細切れにして投稿していったが、ブクマだのなんだのが、全くついてこなかった。
投稿サイトへはあくまで推敲便宜できたのに、やはりぼくも人の子、気になりだした。
「どうしてかしら」
あるとき、ありがたいことに「レビュー」をもらった。
そのレビューには、お褒めの言葉のあと、さらにこんなことが書かれていた。

「この物語の書き手も、駆け出し記者ワイク同様新人のようである。なぜなら普通投稿サイトでは改行空行が多いのに、一般文芸のようにみっちりである」

こんなのもあった。

「お願いだから改行空行をください」

これは正直、カルチャーショックだった。改行空行をしないと素人だと言われる世界とは思いもしなかった。
でもまあ、郷に入ってはローマがなんとかだし、「ここかしら」というところに改行空行をぼっこぼこ入れていった。
そうするとたしかにPVが増えていく。つまり「初見さよなら」のケースが減り、先まで見てくれるようになった、らしい。

でも、あとあとどうしても解せなくなった。

ぼくは、投稿サイトの投稿フォーム内で横書き対応の推敲をし、投稿ボタンを押した後、それを全部コピーして縦書きワードにはりつけなおしていた。
するとどうでしょう。
縦書きにした時の改行空行原稿の、かったるいこと、かったるいこと

あと、横書きと縦書きでは(わかっちゃいたけど)できることとできないことがある。

たとえば

「おい小林」琴香は目を尖らせた。「もっとまともに書けんのか」

カギカッコに地の文がはさまるこの書き方は、縦書きだとすんなり読める(気がする)のだが、横書きだとどうもしっくりこない。それに見た目がなんだか2ちゃんのスレタイのようだ。

そこで改行して

「おい小林」
 琴香は目を尖らせた。
「もっとまともに書けんのか」

こうすると、なんだか間延びしてしまう感じがする。これを補正するためには、カギカッコを分けずにくっつけた方がいい  と思うようになる。すなわち、

「おい小林、もっとまともに書けんのか」
 琴香は目を尖らせた。

 琴香は目を尖らせ、
「おい小林、もっとまともに書けんのか」

このどっちかになる。

さてここで、賛否はあるとして、私は言いたい。
後述2つは「分かりやすい記述」ではあるけれども、前述のカギカッコで地の文をはさむ書き方よりも、印象や迫力が薄まっている……気がする。なんつうか、分かりやすいけど血が通わんと思うのだ。さらにそれは、文章のもたらす芸術的作為の機会を著しく欠く  ように思えてならない。

私は投稿サイトに投稿する過程で、ほとんど全部、後者の書き方に変えてしまっていた。で、あとで文フリ用に原稿を起こすにあたって縦書にしたとき「げッ! なにこれ、超絶つまらん文章になってるゥ」と幻滅したものである。これは完全に弊害だったなあ、私の場合は。


あと、タイトル付けにも辟易した。当初は投稿サイトでも『ユトレシア・ブラックジャーナル・サーガ』と題して公開していたが、他の作品を見ると「なにがどうしてどうなったけど、結局ドコソコでナニヤラしてます」みたいな、切れの悪い小便のような題が並んでいる。
そういうのじゃないと人はこないよという解説を、ごまんと読んだ。
ぼくもそれに対応しようと、それこそ1ダースくらい試してみたが、どれもうまくいきませんでしたね。

 

4)ガラパゴス文学

「ここには私の知らない様々なハードル、掟、あるいはマナー……みたいなものがあるのだ」

推敲作業をするだけのはずが思った以上に引っ掛かる点があって、私は心底びっくりし、お手上げに感じたものだ。

上述以外にも、

  • 部外者にはちんぷんかんぷんの世界観のテンプレート。
  • プロットに過干渉する読者。
  • 評価やブクマのもたらすヒエラルキー格差社会

そのわりに、投稿作品に目を向けると、私が面白いなあと思ったのがさっぱりうけておらず、逆にランキング上位のものが  たしかに手業はありそうだけど  何を言ってるのかさっぱりわからない、というのが多々あった。

つまりぼくの価値観なんて、ここじゃまったくでたらめなのよ。

冒頭から「ステータス」とか「スキル」とかいった単語が並んでて、読む前から何かしらの知識を要求される……こりゃお手上げ。たぶんゲームかなんかが由来なのだろうけど。

総じて

「ここはフツーに知られる文学世界では無い」
サブカルチャーが圧縮・濃縮された感じがある」
「一つの成熟の形と言えるが、見ようによってはガラパゴス化

まさに異世界に転生した感じがした。

 

5)すばらしいひとたち

やがて連載は最終回を迎えた。その頃には投稿サイトにも慣れていた。というかすでに諦めを感じてもいた。
やっぱり縦書きだよなあ
そう思っていると、どなたがか「なんとかあっぷらす(仮)」が縦書きができて、見やすいと教えてくださり、そこでも連載をしはじめた。完全横書き化されていたのを戻すための再推敲連載である。

このころになると、ぼくの新設ツイッターアカウントには、いくたりかの、とてもよくしてくださる方がいた。
読んでくださり、絡んでくださり、はげましてくださり。
この点に関して、私は投稿サイトに来てホントによかったなと思っている。

  • DMで感想を伝えてくれた何人もの方々。
  • いつもリツイートしてくれて、周りに勧めてくれる方々。
  • 伝説的なRPGの本を教えてくれた方。

とりわけぼくが感動したのは、ファンアートを下さった方です。
正直言って、このブログ記事は、これを紹介したいがために書いたようなところがありますよ。

事務所サイト以外に、こちらにも一点ご披露。

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家宝です。

※ この他三点を、事務所サイト内『ユトレシア・ブラックジャーナル・サーガ』のコーナーでご覧いただけます。 

 

6)たびの終わり

そのうち縦書き推敲も終了した。
もういつでも主戦場のアマゾン電子書籍(KDP)に帰っても良かった。
だが、いくつかのコンテストのタグを作品に貼っていたので、無下に剥がせなくなっていた。けどまあ、案の定というか、間もなく結果が出て、箸にも棒にもかからなかった(毛色が全然違ってた)。

ぼくはついにKDPに帰ることにした。KDPセレクトなので独占で、投稿サイトから撤収しなくちゃいけない。ちょっとさびしい気もしたけど、えいやっと引き剥がし  今日の無料キャンペーンを迎えている。

 

こうして3カ月に渡る投稿サイトの旅は終わりました。
あちらで絡んでくださっていた方々、ほんとにありがとうございます。
こちら「小林アヲイ」もよろしくお願いします。

まあ、ぶっちゃけたことをいうと、投稿サイトはぼくには厳しい。価値観的にも、技術的にも  実は投稿サイトは、すっごく技術が要るところだと思う。むしろ技術最優先で、哲学やパッションは不要。
文芸を表現の一分野と捉えて「何を言いたいのか」「何を考えているのか」とやってきた人間には、かえってやりづらい場所だろう。
極端な言い方をしたら、ここは就職活動の場であり、そういう意識の人が溢れていますね…。

 

以上長々、お粗末様でした。

ユトレシア・ブラックジャーナル・サーガ

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