アヲイ報◆愚痴とか落語とか小説とか。

創作に許しを求める私の瓦斯抜きブログ

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温泉記。その7<池田温泉>

うー……。
新作をリリースして3日経った。
年がら年中原稿に追われ、終わったら「はい次」また終わったら「はい次」という日々なんだが、やっぱり自分の原稿となると意味合いが違う。今、私は、脱稿ボケというか、アップロードボケというか、すっかり虚脱状態にある。単身居酒屋に赴いての一人出版パーティに耽るでもなく、もう何をするにも面倒で、万年床にゴロゴロしている。仕事はいつもの半分くらいしかできない。飯を食うのもトイレに行くのもめんどくさい。

  あ、お陰さまで、「ブレイブガールスープレックス」は、すでに幾人かの素晴らしい方々にご購読をいただいております。感謝々々です。とはいえ、初動は、どちらかというと「凪の状態」に近いものがあります。北の核事情は緊迫しています。衆院選は野党の連衡策に揺れています。これらと同じくらいとまではいいませんが、いくからその賑々しさにあやかりたいと存じますよ。

このままめんどくさがって家でミイラになっても仕方がない。身体をよいしょと起こして、「何かしようや」と自らに呼びかけるが、反応が悪い。なぜだろう。自分をつぶさに顧みると……実はまだ身体が執筆作業を引きずって、神経イライラ、手首ズキズキ、目頭ぴくぴく、腰ガクガク……であることに気が付いた。そりゃそうだ。4月から執筆開始し、それと共に積み上げてきた疲労が、そう簡単に抜けるわけがない。これは癒しを兼ねた治療が必要だ  

いうことで、久しぶりに温泉である。

こういう時に入りたいのは、湯が全身をこれでもかッと癒してほぐし、思わず「あ゛あ゛~」と声を上げそうになる、入浴感溢れる温泉だ。

鹿児島市東谷山町にある「池田温泉」は、そんな希望に応える穴場中の穴場の湯である。

穴場中の穴場なんて書くと、ちょっと誤解があるかもしれない。予め言っておくが、この温泉は、別段山の中の秘湯では無いし、硫黄臭たちこめる「何が凄そうな湯」でもない。湯治宿泊や温泉饅頭の土産物屋も無い。ごく普通の銭湯である。地元密着、ただひたすら硬派な、ド銭湯である。

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ほら、いかにも風情のある建物でしょ。

一歩入ると券売機。鹿児島市は通常大人390円なのだが、2017年現在380円である。10円もお得だ。

券売機の横の戸から中へ。そこは脱衣場。入ってすぐ横に番台があるので、さっき買った入浴券を渡す。

女湯はどんなだか分からないけど、男湯脱衣場のなんとも雑然としていること。壁にポスターだのなんだの、いろいろ貼ってある。飾らないからかえって落ち着く。

鍵ナシのロッカーはだいぶ使い込まれた様子。ロッカー以外に、床に脱衣籠が重ねて置いてあるけど、私物を入れた時の置き所が分からない。ロッカーへ入れようとすると、横幅はちょうど入るけど扉が閉められなくなっちゃう。

脱衣場の隅にソファと自販機。テレビもある。湯上りのおっちゃんたちがいつまでも戻らずに、湯気を立てながら眺めている。……おお、見事な欠伸だ(脚色)。
時折聞こえる客同士の鹿児島弁。

「なぁ? いまかぇや おせな。
「ないが いまずい しごっよ。
「んな なをすぃや ごけん かかっとよ。
「おいがとは はんぶん あすいかたよ。
「あいたこら なら さきな。

わかるかな???

サッシを開けて湯殿に入る。床・壁は現代風のタイル張り。センターに湯船がデンとあり、サイドに洗い場が並んでいる。正直、そんなに広くない。

いかにもごく普通の銭湯である。

けど……何なんだろう? この高い入浴感は!

湯はスベスベ、ほんのり塩気がある。肌がたちまち潤う。あなたが男性ならシェービング後すぐその滑らかさに気付くだろう。

湯船は水風呂を含めて三つ。加温していないぬるめの湯船と、気泡が轟々と逆巻く温かい湯船。この二つを行ったり来たりしていると、「あ゛あ゛~」と声が出ない人はいない。源泉かけ流しではないとのことだが、別にそんな事どうでもいいや。

ここの湯を説明しようとすると、何てったらいいか……言葉にしにくいけど、単に「湯に入ってる」というより、湯の方から身体に「これでもか」「これでどうだ」と確かめてくるような感じがする。非常に挑戦的でありながら、滑らかで人懐っこいのである。

湯殿に観葉植物が置いてある。たぶん気付いていない人も多いのじゃないか。

 

泉に方々行って思うようになったのは、「バランスって大事だな」ってことだ。
たとえどんなに源泉が良くっても、あんまりこぎれいだったり、気泡だの電気だの、いろいろやりすぎてると、野暮な感じがする。そもそも温泉ってのは、「今日はガッツリ入りたいな」「軽くいきたいな」「身体をほぐしたいな」「ヒーリングだな」などの欲求の種類から「じゃ、あそこに行こう!」と決める。だから、その泉質にあわせた風情があれば、それでいいのだ。過剰演出は逆効果になりやすい。

池田温泉はそういう意味で、「銭湯での入浴」という一連の行為を、一定効率内に最大限に引き出している温泉であると思う。お得感でリピートさせるというより、愛着でリピートさせる、そんな「我が家」みたいなお風呂屋さんなのである。

今回は、以上です。
「ブレイブガールスープレックス」はそれ自体温泉でも楽しめますが、きっと端末の方がもたないでしょうから、持ち込まない方がいいですよ。

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