最近無性に蕎麦好きになった。
小さい頃はうどん専門だったのが、いつの間にかの転向である。
世間の昼食に目を遣ると、おっさんどもは、えてして蕎麦を啜っている。
男は齢を重ねると蕎麦好きになるのだろうか。
たしかに古典落語「仙気の虫」では、男性に業病をもたらす虫は蕎麦を好んでいた。
おそらく昔から、蕎麦は男性ホルモンの好むところのものなのだろう。
もしこれを読んでいるあなたが女性であるなら、意中の異性に尋ねるがよい。
ねえ。お蕎麦、好き?
もし「ウン」と答えれば男性として生物的に平均値に達しているのかもしれない。
でも「うどん」と答えたら……草食系という奴かも。
だが
信州信濃の新蕎麦よりも
アタシャあなたのソバが好い
こんなことを答える者がいたとしたら、是非とも決断すべきだ。
こういうことを言う手合いは、おおよそ女性の尻に敷かれたがるM的逸材である。キープ、キープ。
さて、そういうわけで今回は蕎麦ランキングである。
私個人の好みなので、異論反論はうけつけない。
だが、一緒に議論するのは大いに歓迎だ。
「だよね」「ウンウン」「それあるかもー」みたいな態なら。
では5位から発表
5位 海老天蕎麦
4位 山かけ蕎麦
3位 板蕎麦
2位 肉蕎麦
【5位から2位までの選評】
他にも「月見蕎麦」「かけ蕎麦」「鴨南蛮蕎麦」等々がエントリーした。しかしトッピングと蕎麦のコラボレーションがシナジーを生んでいるかという点でふるいにかけたらドロップアウト。残った5品で審査に入った。
5位海老天蕎麦は、つゆそばの代表格といってもいい。ところが私はいつも思う。エビ天はエビ天で食べた方が良くないか? せっかくのサクサク感を、なぜつゆでゆるくする?
4位山かけ蕎麦はとろろ芋だ。ヘルシーで胸焼けしないところがいい。夏場でも食を進めるライト感を持っている。ただ、飽きが来るし、どうしても麦飯も食べたくなる。炭水化物の過剰摂取の呼び水だ。
3位板蕎麦は唯一の冷やし蕎麦。ただし、蕎麦の喉越しによっては著しく食い気を損なうから要注意だ。蕎麦をたぐる→日本酒にチョットつける→そばつゆにつける→口に運ぶが王道。
2位は肉蕎麦。あまり脂っ気のない肉を使い、少しぼそぼそになったくらいの方が、蕎麦との食感のコントラストを楽しみめる。甘辛くしてあれば、塩からいそばつゆとふた味楽しめる。
そして栄えある一位は
1位 かき揚げ蕎麦
【選評】
野菜天限定だ。たっぷり空気を含ませてキューブ状に揚げたかきあげ。カリッと齧るもよし、少しひたして柔らかくして食べるもよし。まるで長崎皿うどんやチキンラーメン1分蒸らしのように食感を楽しめる。但し早く食べないと油でギトギトになる。
ちなみに…
審査員特別賞:焼きそば
【選評】
「そもそも蕎麦じゃないじゃないか」と仰るかもしれない。だが、それは焼きそばだって同意見だ。
「俺は蕎麦じゃない!」。
それを言うなら「中華そば」だって違うじゃないか。
だがそれでも敢えて焼きそばを推したい。なぜなら焼きそばにはもう一つの悲劇があるからだ。それはインスタント焼きそばである つまり「焼かない」。そう、もはや「焼き」でも「蕎麦」でもない。にもかかわらず、そばの名を名乗りながら国民的B級グルメの王道をひた走る焼きそばこそ、特別賞にふさわしい。涙ながらに。
まあ、そんなところだ。
以上です。
毎回くっだらねえなぁ。でも、私自身は書いていて蕎麦を食べたくなりましたよ。
「おのれよければ、すべてよし」だね!
最後までお読みいただきありがとうございました!