アヲイ報◆愚痴とか落語とか小説とか。

創作に許しを求める私の瓦斯抜きブログ

すわ腸の異変…「がん? それとも?」不安との闘いと、その顛末(過敏性腸症候群の話)。

 

2週間くらい前、上行結腸の盲腸に近い部分に違和感があり、お医者に行った。かれこれ一か月以上腸管が詰まっている感じがしていたのである。症状はそれだけで、別に痛みなどはない。お通じは普通(むしろ良好)で、血便もない。吐き気も腹部膨満感もない。ただ、四六時中、腹の中で誰かに腸管を握られているような感じがして気持ち悪かった。

違和感ばかりで痛みや嘔吐など目立った症状がないだけに、かえって「放っておいたらヤバイんじゃないか」と恐怖に駆られた。たとえば、病気の王様「がん」などは、最初は自覚症状がないという。本当にヤバイ奴は静かに忍び寄ってくるものだ。

不安はつのるものの、近年の自分の体調不良を振り返るに、過呼吸や咽喉頭異常感症など、いわゆるストレス病が多かった。症状に見舞われるたび「これは絶対大病だ」「遺書だ」「終活だ」とうろたえ、病院に行く。結果、実体のない「ストレスですね」の診断が下る。途端に症状が消える……ということを繰り返している。自分の体のストレス耐性のなさに毎度あきれかえるが、ゆえにこのおなかの具合についても、またファントムではないかと疑いつつ(祈りつつ)、内科のお医者にかかった。

 

内科のお医者は、腸エコーをやった。
機械でぼくの右下腹部をぐりぐりして曰く

あ、腸の粘膜が腫れてるね。

驚いた。今までと違い、幻ではなく、れっきとした病変がみつかった。「これだけ違和感あるんだもん、そらやっぱりな」と思うと同時に、まずいなぁ(>_<)と狼狽した。
そんなぼくをよそに、先生はノホホンと言った。

2週間様子を見て、まだおかしいようなら、また来なさい。それまでお酒も油物も控えなさい。

 
れから2週間、毎日ネットで「腸粘膜 腫れ」「上行結腸 炎症」など検索しまくる日々である。おかげで腸の病気の名前に詳しくなった。

潰瘍性大腸炎は安倍元総理でおなじみ。やはり怖いのは「大腸がん」だけど、いまは治癒率が非常に高いようである。

いろんな病気を検索しまくる中で、自分の症状に当てはまるものがみあたらない。奇妙な想像がめぐる。もしかしたらどれでもないのではないか。やばい病気は全然関係ないところから症状が出たりする。聞いた話だと、左肩が凝って肝臓がんだったり、指先が丸くなって肺がんだったり。

ネットで症状をさぐっていって、項目的に最も数が当てはまったのは「大腸がん」だった。が、いくつか当てはまらない項目もあった。おまけに、いろんなサイトで「上行結腸は肛門から遠いので潜血や便の形状で判断しづらい」と言及されており、ぶっちゃけ判断材料なんて何も無いようなものだと思った。

がんといえば、このほかに「癌性腹膜炎」も考えられる。腸の外側から癌がむしばみ、それこそ腸管を握りつぶすようにしていく。以前これで身内を亡くしたので思い返すと怖い。
もっとも、腹膜播種になるくらいならどっか別のところでがんが進行して苦しいはずだ。
身内の場合は原発巣不明の上、最初っから腹膜のがんだった。医者から「万に一つのケース」と言われたが、実際にそれで人が亡くなっているのだから、あるにはあるのである。 

 

きた心地のしない日々を送る。先生の指示通り、酒を断ち、油物を断ち、野菜中心の生活。普段なら半日で投げ出しそうだが、症状が厳然としてあるだけに、きちんと続いた。恐怖の前には従順になる。意外に淡白な性格である。

 

2週間が経ち、再びお医者へ行った(このブログを書いている今日である)。症状は依然として残っている。ちょっと強まっているような感じすらある。今日はエコー以外に大腸内視鏡やCTといった精密な検査をするかもしれないと思い、前晩から食事を抜き、身体を清潔にして赴いた。

先生は前と同じようにエコーをやった。機械をぼくの腹に当てて曰く

おお、腫れが引いてる。ひだもきれいだ。

あれ?

機械を当てられているその時も、ぼくは腸が握られているような感じがしていた。
エコーを終えた先生は言った。

過敏性だね。

 

敏性腸症候群については以下を読まれたし。

『過敏性腸症候群(IBS)』について - 日本臨床内科医会

 「原因」のところを読んでいくと、「はっきりしていない」と前置きした上で、次のように書かれている。

  • ストレス説
  • 内臓知覚過敏説
  • そのほかの説(アレルギーなど)

 

結局またストレスだよ。

 

先生は「趣味なりなんなり、ストレスを減らすようにしなさい」とおっしゃった。「ほんとに、何かヤバイ病気ってことはないですか?」と訊くと「それはない」と笑顔で答えた。ひとまずそれを安心の担保とし、ぼくは病院をあとにした。

 

たしてもファントム病(造語)だったわけだ。過呼吸と咽喉頭異常感症に、過敏性腸症候群が加わった。
三冠達成である

だが、腑に落ちないこともある。
過敏性腸症候群は、前述のURLに説明されているように、「症状を説明できる腹部の病気がない」とされている。
でもぼくの腸は、二週間前は確かに腫れていた。
あれはなんだったんだろう……謎のままである。

 

まあ、心と身体のバランスについては、正直年齢を感じています。
たとえば、昔はプレゼン前など極度のストレスに直面する時、気持ちは引っ込みがちだったが、身体はすんなり乗り越えてくれた。
今は逆に、年を取って大概のことには驚かなくなり気持ちは引っ込まなくなったが、身体がガタピシ言って取り合わなくなった。
心と体の強弱が入れ替わっている。弱い方に配慮していくしかないですね。

 

  以上、詰まってる感じがするのに詰まらない腸の話でした
(前もこれ書いたな)。

 

 

<おしらせ>

昨夏から取り掛かっていた小説作品が、まもなくリリースできそうです。長編コメディです。自分で勝手にジャンルを「LPC(ローカル・ポリティクス・コメディ)」と名付けています。今回は電子書籍Kindle)とPODを同時リリースする予定です。タイトルは『級長 畠中賢介の憂国論』。以下表紙イラスト。人間の全身を描いたのは『贋物』の表紙以来です。

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 をたのしみに! 喜悦、拝。

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