アヲイ報◆愚痴とか落語とか小説とか。

創作に許しを求める私の瓦斯抜きブログ

アヲイ、文学フリマ東京に初出店するの巻

 

この記事、長いです(原稿用紙20枚程度)。

 

2019年11月24日、第29回文学フリマ東京に参加しました。普通に客として行ったことも無いのに(これを一般参加というのだそうですね)初参加初出店、おまけにわざわざ鹿児島からヒコーキで2泊3日、思えば結構な暴挙と蕩尽をやりました。私の希望を汲んで一緒に「赤鉛筆同盟」を運営してくださった恭仁涼子さんには感謝しきりです。

 

はじめに、文フリに初参加した率直な感想を申しましょう。
ズバリ
「とっても楽しかったです^^!」

理由は主に2つ。
一番は人に会えたこと。
もう一つは名付けようのない感覚的なもの

人に会えた」というのは、普段ツイッターなどで交流のある方に実際にお会いできたことです。これが実に不思議な感覚で、ネット上のパーソナリティというのは、やっぱりどうしてもバーチャルな感じがするんですが、実際に会う  本物の人間に会う  というのはインパクトがありますね。正直、名前を知ってる芸能人に会ったくらいの感動がありました。その方々から「小林さんですよね?」とお声を掛けていただく。そらよろこびますよ。

もう一つの「感覚的なもの」というのは、ひと口に説明しにくいのですが、私の中にいつまでも残っている「ああよかったなあ」という余韻みたいなもので、こういう感覚はもう何十年も忘れていたような気がします。最近では、年のせいか、身の回りで何かちょっとした慶事があっても、喜ぶのはその時ばかりで、たいして後を引かなくなりました。けれども今回のイベント参加は、3日くらい経っても「ああ、あの場にいたんだな」と、いまだに情景がありありと浮かび、感動をもって思い起こされるのです。たぶんそれは、体験した内容が自分主体の出来事であること、つまり、自分の書いた本を自分で売るという、自分に深く根ざすことだからだと思います。他人のスポーツやライブで全く感動しない自分が、これほどまで余韻に浸れたことはほとんどなく、裏を返せば「どんだけ自分好きなんだよ」ということですね。はい。

 

学フリマへは、3月くらいからこころづもりをし、準備を重ね、本番に臨みました。ありがちな「期待しすぎて拍子抜けした」とか、そういうのは一切ありませんでした。それとですね、まだ一回参加しただけなので漠然としていますが、文学フリマにはなにかこう、中毒性があるような気がします。多くの書き手さんがドハマりして常連化するのもうなづけますね。だって私、開場1時間後くらいには思いましたもん。「ああ、また出たいな」って。

私は鹿児島から行ったけど、1200くらいブースが出ていれば、まだほかにも同県人はいたかもしれない。地方から出てくるのはいろいろハードルがありますよ。でも、鹿児島に限って言えば、きょうびLCCが飛んでるので、東京は随分行きやすくなりました。大阪も名古屋もそうです。ビジネスホテルも上質でお安いところが増えました。むしろ福岡に行く方が交通費は掛かるかもしれません。そういうわけなので鹿児島の人がどんどん行ったらいいなあと思います。

* * *

…とまあ、興奮冷めやらぬ状態なので、言うことがどうしても五月雨式になってしまうのですが、以下に私の「文学フリマ東京」参加の備忘録を記します。思ったことや感じたこと、注意すべき事柄を、ここに書き残しておきます。
この記事が、どこかの田舎からはるばる「文フリ東京に参加したい」と夢を抱く人の参考になれば、と思います。

 

 

1.目的

準備期間にモチベーションを持続し、本番を楽しみ抜くためには、文学フリマに出る目的をある程度しっかりさせておいた方がいいかもしれません。一人で出る分にはテキトーでも構わないでしょうけど、複数名で出る場合、そのへんを共有しておけば、もっともっと楽しめます。

単に出る」つまりオリンピック憲章的な「参加することに意義がある」みたいなのは、大学同人とかなら十分成立するモチベーションだと思います。しかし社会人が貴重な時間を割いて出店しようと思ったら、この程度じゃちょっと物足りないかもしれない。

売って売って売りまくる!」という目標設定もありでしょう。しかしこれはいろいろと難しい。私のような無名人がこのためだけに行ったら確実に大赤字で、帰りは東京湾に投身ですよ。しっかし東京のどぶ川は臭いなあ…今回の上京でつくづく思いました。

誰かに会う」というのはとても素晴らしい目的で、おすすめです。でもこれを参加意義にするには、事前にSNSなんかで知り合いができてないといけないよ。

 

ブースを歩いていると、あんまり明確な動機の見えないお店も散見されました。ぶっつわって本を読んでいるだけの人、ブースに人がほとんどいないところなど。でもみんな、それぞれなにかしら胸に秘めているのでしょう。

で、出店者を大別すると次の2つのどっちかだと思う。

  • 作者として参加している人
  • 作品を参加させている人

ブースに近寄るとなんとなく分かります。前者はボソッと「はいどうぞ……」とか言って、ざっとあしらう感じ。目が笑ってない。照れてるのかもしれない。
一方、後者は目が合ったら作品の解説をおっぱじめてなかなか帰してくれない。「そんだけ聞いたらもう本要らないじゃん」と思うくらい。よっぽど自分の作品が愛しいのでしょうね。
どっちのタイプも好きですよ。気持ちは分かるし。
ただこれが「両方とも!」って人は、眩しすぎてちょっときつい。

 

2.準備「申込・商品・設営など」

話が前後しますけど、文フリに出るにあたり準備したことなどを書いておきます。

文学フリマの申し込み

これは共同出店者の恭仁さんに全てお任せしたので、あんまりよく知らない。ネットから申し込みます。そして、出店要項とかがきて、よく読んで、で、参加するのです。

・本の印刷製本

同人誌を専門とするたくさんの印刷屋さんがあるから、いろいろ見て選びましょう。印刷屋さんによって得手不得手があるので、そこは数を見るしかありません。表紙の装丁なんかは、出店者が自分でやれたらコストは安く上がります。イラスト制作、写真加工、デジタル版下制作、入稿データづくり等々…知り合いに焼肉を奢ってやってもらうべし。
ついでにいうと、印刷の知識があるとなおよいです。紙厚・紙質・PP加工・綴じ方等々。
多くの印刷屋さんが会場搬入してくれています。ありがたい。

・無料グッズ

無料配布物です。ハンドビラのようなバラマキものから、封筒、栞など、買ってくれた人にあげるプレミアムなんかも、余裕があったら用意すればよいでしょう。そういうのを考えるのも楽しいことです。
ちなみに私は今回、小説「受給家族」封筒を用意して、本を買ってくれた人にはこの封筒に入れてお渡ししました。うん。包み紙に最適な小説のように思えたので。

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・売場の設営

1ブースは間口900ミリ×奥行450ミリ。高さ70センチの一般的な長机の半分。いろいろなアイデアを思いつくかもしれませんが、できることはそう多くありません。当初いろいろ計画していたのですが、現場に入ると明かりの具合や周囲との比較で、臨機応変を迫られました。
で、これが最終的な売り場完成写真。

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振り返って思うに、あんまり高さを追求する意味は無いような気がした。むしろ着ていく服の色とかを考えた方がよいのかもしれないです。

設営…というより、今回「赤鉛筆同盟」が悩まされたのは、です。向かって右手に大きな柱があり、片方からの視線と通行を完全に遮断されました。隣を気にしなくていいのは楽ちんなのだが、これはマジでデメリットです。場所は割り当てられるので、運命と思って受け入れるしかありません。
そうしながら、私は思いました。文学フリマで大事なことは

1に立地、2にジャンル。
34は無くて、5に愛嬌。
67とばして、8人脈。
9にお値段、10に表紙。
(作品の質は圏外>_<)

あと、設営では完成形だけ考えず「撤去のしやすさ」も考慮しましょう。

 

3.いざTRC「気を付けろ東京トラップ」

羽田空港に降り立つ僻地からのおのぼりさんは注意です。

当日入りするモノレール組は、「東京流通センター」で降りればいいが、私は前日入りして大森あたりに宿をとりました。最寄り駅は平和島駅で、こっからバスが東京流通センターに出ているので、文フリには最適の場所です。

注意すべきところは、羽田から平和島へは京急一本で行けないということです。京急蒲田で乗り換えねばなりません。地方民はあんまり単一路線で快速から普通に乗り換えるという発想が無い。乗り替えというのは路線が変わるものだという固定観念があるので。

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平和島駅からでる東京流通センター行きの停車場は、交差点を渡って冷蔵庫の扉みたいなドアのある店の前あたりです。10分くらいで東京流通センターにつきます。
これがその東京流通センターです。

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出店者入場時間の10分くらい前にきたのにもう列ができていました。なにかもう殺伐とした風情。

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暗澹たる前途を予言するかのように、柄の折れた傘が落ちていた。南無。

どやどやっと設営して見本誌を運び入れたら、あっという間に開場と相成りました。イベントスタートです^^

 

4.開場

いやしかし、すごい人の数でしたね。6000人を超えたというから、大盛況です。

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しかし我が赤鉛筆同盟のブースが忙しかったということはなく…開場後はほとんどブースに座って「待ち」の時間でした。共同出店者がいたので、無人販売時間をもうけずに済みました。交代でトイレに行ったり、ぶらぶらしたり。昼食のカレー「ターリー屋」は定番でしょうか。おそらく文学フリマで一番売り上げてるのでは?

営業中、SNSで交流のある方がいくたりか赤鉛筆同盟をご訪問くださいました。
嬉しかったです。
ありがとうございます

お名前を列挙したいくらいですけど、もれがあっちゃいけないから割愛します。もうほんと、ラブですよ。

申し訳なかったのは、こちらから訪ねていくことが全然できなかったこと。これは小林の事前準備不足です。
文フリの公式サイトやパンフレットを見ると、全てのサークル名がリストになっています。公式サイトではサークルをクリックしたら誰が属しているというのは分かります。だけど逆に、誰がどこにいるかを割り出す方法はありません。どこに誰が居るかは分かっても、誰がどこに居るのかは分からないのです。
そういうわけなので、小林の頭の中には「誰々さんは文フリ参加しているはずだよね」と思っても、その方がどこにいるか分からず…断念。嗚呼苦い思い出。事前に「どなたが何というサークルに居て、場所はどこ」というのを紙にメモしておけばよかった。これは後悔しています(なお、ウチはサークル名に名前を入れておいたよ)。

 

5.祭りの後「片付けと懇親会」

17:00になり、文学フリマは終了しました。

撤収では、大きな会場があっという間にガランとなりました。机だの椅子だのみんなで片付けるんですけど、あれだけ会場に並んでいたのがわずか20分ですっかり消えて、壮観でした。売れ残り荷物はヤマト着払いで鹿児島に直送できました。助かった。梱包に使った段ボールは、搬入時に使われて不要になった空き箱が集積されており、それを頂戴しました。

18:00、同じTRC敷地内にある「アーコレード」なるレストランで行われた懇親会に参加しました。先着100名(事前予約)で参加費4000円。2時間飲み放題。さすがレストラン、食べ物はとてもおいしかったのです。

懇親会まで残った人は、大会場で小間物屋を広げていた中でも、とりわけ垢抜けているというか、いくらか表情筋の発達した顔ぶれだったような気がします。だって、着ている服の色からして違う。さっきの本会場では全体に黒々しかった雰囲気が、なにか淡く桃色がかった風合いになりましたから。懇親会参加希望者だけに、コミュニケーションへの意志を感じます。

宴の最中にPRタイムというのがありました。みなの前に立ち、自分の作品やらサークルやらを20秒でPRするというもの。私なんぞはリアルでは照れ屋さんなので、みんなの前で何かを言うなどもってのほか。共同出店者の恭仁さんも同じ気持ちで、私は「ああいうのは、実にもう、解せませんな」とか言って、すっかり引っ込んでおりました。で、「きっとみんなそうだろ」と思っていました。

ところがところが。

司会者が「PRタイムをはじめますから並んで頂戴」と言うやいなや、会場の半分くらいの人が一斉に立ち上がり、ワアワアガアガアあつまって、正面上手(かみて)に長蛇の列をつくりました。酔っているから列がうねる。みんな手に自分の本を持って、それがウロコのように光っている。すぐに私は「こりゃあ同人の“おくんち”だ!」と思いました。

PRがはじまると、みなさん実に熱く語っておられました。一部はほとんど絶叫です。何を言っているのか分かりません。ときたま普通の人がいますけど、なにかこう、普通であることが異常視されてしまうような、そんな時間帯でした。「みんなよく人前でしゃべるなあ」と思いましたが、考えてみれば当然のことで、自分の書いた本に自分で値段をつけて自分で売ろうという人々ですから、その程度の事は本来朝飯前なんですよ。みんなそういう自意識構造なのです。引っ込んでいる私の方がおかしいんです。

はてさて熱いPRタイムのおかげで、宴席の空気は一気にやわらぎ、ご挨拶、名刺交換、作品の売買・交換がはじまりました。むしろ、本会場よりもこっちの方が本が飛び交っていたかもしれない。本会場に劣らず、ここでもたくさんの人とご挨拶をさせていただきました。ありがとうございます。

あ、そういえば、23区に在住の「小説を書きたいけど書けない」と言っていたお兄さん、一般参加で懇親会に出られるあたり、おこころざしは十分かと存じます。頑張ってくださいね。お名前もうかがってないかった。あれ? 聞いたっけ。うん?

宴は20:00で幕となり、かくして、私が半年以上楽しみにしていた文学フリマ東京は、その全日程を終了したのでした。文学フリマ関係各位、出会った方、出会わなかった方、買ってくれた方、買わなかった方、みなさんありがとうございます。

 

総論

近々BOOTHやる予定です。商品ふんだんにありますよ^^
……と言ったら、つまり、どういう意味かわかるでしょ。

売り上げ? 野暮なことは聞かないでくださいよ。
平和島
の寿司屋で溶かしたよ。美味しかった^^

文学フリマ、楽しかった。だけど、まあ正直思うところはあります。
もう少し動きがあるかと思っていた…('A`)
いろいろ反省しました…次はどうやるべきか、と。
ぜひ捲土重来と行きたい。
東京と言わず、どこと言わず。。。

 

* * *

以上長々と文学フリマに参加した顛末を申し上げました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
久し振りに記事物のブログを書きました。疲れました。

おしまい。

 

ユトレシア・ブラックジャーナル・サーガ

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