大河ドラマのせいか、ゴールデンウィーク中は市内に余所モンがどしどし押し寄せ、平穏を愛する私は蟄居せざるを得なかった。フリーランスになってから、行楽は平日に行うようにしている。とにかく雑踏が大嫌いで、とりわけ去年の夏から愛好し始めた温泉通いだと、日曜祝日は鬼門だ。裸のおっさんがどしどし歩いてる。収容所みたいだ。誰が見ず知らずのおっさんの裸行列なんざ見たいものか(自分もおっさんだけど)。
で、ゴールデンウィークも終わったことだし、久々に温泉を解禁しようと訪れたのが、指宿市山川ヘルシーランド内、露天風呂「たまて箱温泉」である。鹿児島市から車で南に1時間半くらい。海沿いを走り、芋畑の細道を「この道であってんの?」と不安になりながら抜けたところに、とんがった岩が出てくる。それが巨大な目印だ。
建物正面。そそり立った岩がランドマーク。
サイトをご覧いただくと分かる通り、なんか景色の件で日本一になったことがあるらしい。
日頃、銭湯的な温泉を愛好している私にとって、ここはすこぶる観光温泉である。違和感とまでは言わないが、異世界を訪れたような気分になった。
番台に入湯券を置き、暖簾をくぐる。脱衣場 かと思いきや、そこは建物の外。ゴルフ場のカート道みたいな細い路が、10メートルくらいクネクネとのびている。路の両サイドは芝ごしらえの丘陵で、まったくゴルフ場みたいだ。その先にセメント小屋があって、脱衣場となる。
脱衣場はそんなに広くは無いけれど清潔感があった。ドライヤーはタダ。良い。ロッカーはコイン無しで施錠できます。
脱衣場を抜けるとすぐ洗い場である。20畳くらいのスペース。壁に鏡、カラン&シャワー。ここには浴槽は無い。なんだかスポーツクラブのシャワー室のような感じだ。奥に一枚ものの扉がある。開ける
すると、目の前に円形の巨大洋風露天風呂、さらにその先に、広大な東シナ海が広がっている(百聞一見、サイトを見てください)。海の向こうには大隅半島がビローンとのびている。こちらの陸と半島の間を、高速船なんかがぴゅーぴゅー走っていく。なるほどこりゃあ、日本一だわ。
晴天で雲一つなく、日差しは強かったが、さすがに海沿いだけあって、風があり冷たい。いそいそと件の円形露天風呂に肩まで浸かる。ぬるめだが温かいことは温かい。湯そのものは、きめ細かくて良いのだが、とくにありがたいと思うほどでもなかった。あくまで絶景温泉である。ぼんやりと水平線を眺める。この海をずっと行ったら、種子島屋久島、北回帰線、赤道があって、オーストラリアを横に見て、ニュージーランドがあるんだなあと。コンマ数秒現実を忘れさせてくれた。
なぜだろう。若くてやけに身の引き締まった兄ちゃんたちが多かった。痩せマッチョである。あぶらっけが無く、腹筋が割れまくっている。バッタみたいだ。しばらくしたら中学生くらいの兄ちゃんたちもどやどやとやってきたけど、学校はどうしたんだろう? 時刻は三時半くらい。周りに学校なんか無さそうだったが……。
うるさくなったので出た。
入湯料510円。整備が大変だろうしね。
温泉の建物を出て海沿いにいくと、湯気の朦々と立ちこめる場所があった。
伏目海岸。 pic.twitter.com/SmqoZXsGwG
— 小林アヲイ (@IrresponSister) 2018年5月11日
この近くが砂蒸し温泉の名所らしく、地熱が吹き上がっている。「たまて箱」で白湯気モクモクなんて、あっというまにおじいさんになってしまいそうで、恐怖である。
久し振りの温泉、リラックスできましたよ。
一本道の向こうの開聞岳。わざわざ降りて撮った(帰路)。
*
ええと、目下長編小説にかかっている。名称は「NZP(仮称の略称)」。どっかの文芸業者に送りつけるのもいいかなと思っていたが、書いているうちに「これはKDPかな」と。どっちゃでもいいんだけど。いま40枚。予定では320くらい。秋口までに書き上げられたらといいなあ、と。
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最後になりますが 「夏100」が発刊されました。関係各位の皆様方、おつかれさまでした&ありがとうございます。僭越ながら貼らしていただきます。
うちあけますけど、実は、夏100にお願いしていた「無責任姉妹3」、上記の「超特盛マックスエディション」発刊にあたり販売中止にしていました。嗚呼こりゃいかんと思い、急きょ復刊しています…アンリミじゃないけど(読み放題の方は同じ内容を「超特盛~」内でご覧いただけます)。
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※ 4巻は復刊していませんし、その予定もありません。