アヲイ報◆愚痴とか落語とか小説とか。

創作に許しを求める私の瓦斯抜きブログ

温泉記。

最近通い始めた、とある道の駅の温泉。
住まいから車で一時間くらいのとこ。
週一程度の楽しみになっている。

行くのは平日の午前中。むろん人はほとんどいない。
いてもせいぜい5人くらい。こぞって年金生活者。
広い湯殿、きれいな施設。
道の駅ということは、税金でやってんのか知らんけど、無駄に思えるくらいである。
税金に年金が浸かってる、という絵面だ。

今日。
ゆうべのお酒を抜くために、一時間かけて行ったらば、入口に大きな張り紙が。9/30まで工事で休業だと。長丁場過ぎる。何をどう工事するのか。

「すいませんねぇ」

張り紙の横で、暇そうにしている受付のおばちゃんが言う。

前述のように、ここは道の駅の中にある温泉。温泉施設の他、食堂や物産の販売所もある。いわば三セクみたいなもの。

  受付のおばちゃん、要らんだろ。


入浴するつもりで出てきているので、身体は寝汗かきっぱなしの清潔では無い状態。
こうなりゃ是が非にも湯船に浸かりたい。

車でさらに一時間。
進路を南に取り「殿様湯」なる温泉を訪れた。

ネットでたまたま見つけたので、もちろん初訪問である。
見る限りいかにも山村の温泉。
鄙びて、古びて、風情があるねえ。
板場の脱衣場。窓の外によしず。光と陰が閑散としている。
脱衣籠を見る限り…先客は一人のようだ。
古ぼけた湯殿を覗き見れば、痩せ細ったおじいちゃんが、床に寝そべって身体を干していた。

正直、最初は「人が倒れてるッ!」と思って息を飲んだ。
が、動いたのでホッとした。

 

すこし会話した。

「病気して、骸骨みたいに痩せちゃった」
「お湯に浸かれるまで回復したんですね」
「入退院繰り返して…三回死んだなあ」
「なんの。三回蘇ったんでしょう」

苦笑いでは無い、洒落た笑顔というか。

いい人だった。

 

 

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