アヲイ報◆愚痴とか落語とか小説とか。

創作に許しを求める私の瓦斯抜きブログ

実録|海に辿り着けなかった。

日は天気がいいし仕事もあんまりやりたくないので、ちょっとドライブでもしようとお昼過ぎに家を出たのでした。無論、独りである。

  これがそもそもの間違いだった。

行こうと思ったのは鹿児島県薩摩半島の南端、坊津。海がすっごく綺麗だ。丸木浜というところなんか、こんな感じだ。

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青い海、白い浜  実にトロピカルではないか。

南の島まで行かなくても、九州本土にもこんなところがあるのである。20年ばかり前に近くを通って感動した覚えがあった。その時の感動をもう一度と、私は住まう鹿児島市から南下した。

予定では鹿児島市→枕崎→坊津→笠沙→南さつま市→川辺→鹿児島市……って、ほとんどの人は分かんないな。坊津から笠沙の道中は断崖絶壁・リアス式で絶景の連発。立看板は「密航注意」「ソテツの北限」「不審船見たら云々」  スリル満点だ。

 

鹿児島市から目的の坊津までは車で二時間くらい。途中、枕崎から坊津の間で風通しの良い展望台を見つけた。耳取峠というところだ。名前の由来は分からない。ぼうっとしていると耳をもいでいくお化けでもでるのかもしれない。道理で人影は無い。

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右上の尖がった山は「薩摩富士」と呼ばれる開聞岳。左の街並みはカツオの漁港で名高い枕崎の市街地だ。日本は何処に行っても人が棲んでる。

あんまり心地いいのでここで仕事しようと、一応持ってきていたPCを広げた。

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が、虫が多くて三十分くらいでやめた。虫はダメだ。饅頭怖い的な意味じゃなく、ほんとに嫌い。ていうか怖い。

丸木浜へ向けて再び車を走らせる。道々海を見る。綺麗だなァ。

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こっから真っ直ぐ南に行くと、中国が覇権を狙ってる海域だ。ますますワクワクするアヲイ。

、上機嫌はここまでだった。

道にった。

坊津から笠沙への途中、無秩序な狭い路地を抜けるのだが、そこでぶつかったT字路で、違った方に行ってしまった。それがまたトンでもない悪路だった。

九十九折の林道、ガードレールの無い崖っぷち、離合なんて絶対無理な狭い道。路肩なんてところどころ崩れて落ちている。

家に帰って通った道をググ地図で見てみると……

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九州のどのへんの話なのか判らない人のために、敢えて広域の地図を示そう。画像右上「御岳」とあるのが桜島。対岸が鹿児島市である。私は鹿児島市から国道225号線を南下し、枕崎から西の海づたいを進んでいた。

青い線が迷い込んだ走行ルートである。本来は「国道226号線」の表記のところから海沿いに左上の野間岳の方へ行く予定だったのに……下の◎から上の◎(県道271号線表記点)へ行っちまった。青線の下に表示されているグレーのルートと比較してほしい。時間は一緒なのに距離が倍違う……?

うちゅうの ほうそくが みだれる!

あのう、25分って書いてあるけど、実際は45分くらい掛かったぞ。ていうか、体感は2時間以上だった。

さらにルートを拡大してみると……

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ぶちまけた腸みたいにウネウネしている。上野集会所のあたりで腸捻転している。もっと知りたい人はストリートビューで見て欲しい。なんと、ちゃんとルートが出る。グーグルの人、すごいなあ。

こうして地図で見てしまえばそれまでだが、実際に走っていた時には何が何だが分からなかった。私の車にはナビは無い。スマホは圏外で役立たず。かといって道が狭い&のべつ崖っぷちでUターンすらできない。おかしいと気付いてもいたしかたないのだ。

ひっさしぶりに、お腹がツーンってなった。
口籠るように何度も「やばいよ、やばいよ、やばいよ……

一応ぼろぼろだがアスファルトが敷かれていて、ところどころフェンスがある。獣道では無い。てことは人の手が入ってるから安心していいはずだが……なんだろう、かえって不安になる。なんちゅうか、廃墟の恐ろしさだ。

そんな中撮ったのが、これだ。

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私の恐怖はすっこしも映ってないね。ここに埋められたら分かんないよ。よく考えたら、二三年にいっぺんはこういう馬鹿なドライブをやらかしてるな。
以上、2016夏の思い出です。御粗末。

 

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